木材と呼ばれるものは、大きく分けて2種類に分類されます。
一つ目は木を製材したそのものである「無垢材」(むくざい)
二つ目は人によって加工された木材、いわゆる作られた木材である「エンジニアードウッド」と呼ばれるものです。
身近な材料である「ベニヤ板」は、エンジニアードウッドに分類されます。
このカテゴリーではこのエンジニアードウッドについて説明と解説をしていきます。
まずは、エンジニアードウッドの種類の紹介です。
合板(ごうはん)
エンジニアードウッドの中でも一番メジャーなのが、この合板と呼ばれるものです。
一般的にはベニヤ板と呼ばれています。
この材料は薄くスライスした木材を繊維方向を90°互い違いに重ねて作った板です。
寸法安定性が良く強度がとても強い事が特徴です。
幅広い用途に使われています。
コチラの記事で合板について詳しく紹介しています。
集成材(積層材)
木材を細かなブロック状に加工したもの「ラミナー」を貼り合わせて作られた板材です。
ラミナーの接着場所にはフィンガージョイントと呼ばれる接合加工がされています。
フィンガージョイントのアップ。厚み方向から見る事が出来ます。
無垢材では確保が難しいような幅の広い板を取ることが出来る事、
節や欠点を避けた材が取れる事が特徴です。
集成材自体にも様々な種類がある他、色々な樹種で作られています。
集成材(積層材)について詳しく知りたい方はコチラ!
LVL
Laminated Veneer Lumberの略で「エルブイエル」と呼ばれます。
合板が繊維方向90°互い違いに接着しているのに対してLVLは水平方向に貼り合わせています。
LVL合板とも呼ばれます。
強度が非常に強く、張り合わせた繊維の方向が一定なので長い材を作ることが出来ます。
その強度から構造用の材料として使われるほどです。
LVLに関する詳しい情報はコチラ!
幅矧ぎ板(はばはぎいた)
矧ぎ板とも呼ばれます。何枚かの板を幅方向に繋ぎ合わせた材料で
無垢材では取れないような幅の材を作ることが出来ます。
集成材との違いは、ラミナーにしない事です。
同じ樹種、同じ個体を使うことであたかも1枚の無垢板のように見せることも出来ます。
幅矧ぎ板について詳しくはコチラ!
OSB (オーエスビー)
Oriented Strand Board の略で 配向性ストランドボードとも呼ばれます。
ざっくり説明すると、木材をチップ状にして接着剤で固めた物です。
そのデザインから、本来の使用用途である構造用用材だけでなく
テーブルの天板や、見える所に化粧用として使われる事も増えてきました。
OSBについて詳しくはコチラ!
MDF(エムディーエフ)
medium density fiberboard の略で「エムディーエフ」と呼ばれます。
こちらも木材を細かくして接着剤で固めた物ですが、OSBとは違い繊維状にまで細かくしています。
建築用材としてはもちろんの事、音響の振動と相性が良い為、スピーカーの素材や
車のスピーカーに取り付けるバッフルボードなどにも使われます。
MDFについて詳しくはコチラ!
CLT(シーエルティー)
Cross Laminated Timber の略で、
合板が薄い板を張り合わせているのに対し、こちらは厚みのある板を繊維方向に90°互い違いに張り合わせた物です。
ベニヤのように均一な強度の製品を作ることが出来ること、
節が多い二等材でも問題なく使える事、断熱性、遮熱性、耐火性などの性能が高いことが特徴です。
CLTについて詳しくはコチラ!
焼杉(やきすぎ)
こちらも作られた木材になります。
杉の表面を焼いて炭化させることで、燃えずらい材料として外壁などに使われます。
焼杉について詳しくはコチラ!
まとめ
エンジニアードウッドには様々な種類があり、
それぞれ使われ方も違います。
いずれも、「木を使う」=「無垢材を使う」
上での弱点や問題とされてきた乾燥などによる「反り」や「割れ」を克服するために作られています。
共通点として、寸法安定性の高さがあげられます。
各項目で詳しく知っていただけると嬉しいです。