木材は乾燥していないと使えない!?
みなさん、もしかして木は切ったらそのまま材料として使えると思ってませんか?
実は切ったそのままでは、建築どころか燃やす薪(まき)としても使うことができません。
それは、木には水分が含まれているからです。
木に含まれている水分
木は植物なので、光合成をしながら成長していきます。
葉っぱからは光を取り込んで、根っこから水分を吸い取っているわけです。
この根っこから吸い取っている水分、これを抜か(乾かさ)なければいけません。
薪にもならないのは、ずぶずぶにずぶ濡れだからです。
薪として使用するにしても乾かす必要があります。
含水率って聞いたことありますか?
含水率とは「木材に含まれる水分の割合」のことを言います。
わかりやすく説明すると、下の絵のようになります。
丸太の輪切りに水分の色を付けました。茶色が木自体の成分(繊維)水色が水分です。
木自体の成分よりも水の方が多いのです。その含まれている水分の割合を含水率といいます。
切りたての木は性質上、含水率100%を超えるもの、中には200%を超えるものもあります。
(※木の内側と外側では含水率が違うのでざっくりとした説明です。)
計算式としては 含水率(%)= 乾燥前の重さー乾燥後の重さ×100 / 乾燥後の重さ で割り出せますが、
含水率を測る機械で測るという方法もあります。
木が乾くとどうなるの?
木は乾燥する過程で水分を失い収縮します。
この収縮が木材の「反り」だったり「割れ」の原因となります。
ここでもわかりやすく絵で説明させていただきます。
木材の割れの原因は、縦方向と横方向の収縮率が違う為です。
乾くことは「反る」「割れる」だけではない!
木材は、乾燥することで軽くなる上に強度まで上がります。
紙筒を集めてその中に水を満タンに入れたものを想像してみてください。
木材は、針葉樹も広葉樹も「導管」と呼ばれる管が集まってできています。
紙筒は導管の代わりです。
ズブズブの状態はどの方向から力を入れてもぶにゃぶにゃで弱そうですが、
乾いたら固く、強くなりますよね。 それと同じ原理です。
さらに、カラカラに乾いてしまえばそれ以上の変形は少なくなります。
建築で使うためには乾かす必要があります
柱などの構造材で「含水率20%以下」
敷居や鴨居などは「含水率18%以下」
床板や内装に使う壁用としては「含水率15%以下」が望ましいとされています。
ちなみに、含水率は15%~17%ぐらいで落ちつきます。
夏場の湿気があるときはその湿気を吸い、冬場は乾燥して乾きます。
木材の乾燥の方法は様々!
木材の乾燥方法について別ページにわかりやすくまとめました。
木材の乾燥方法について
乾かし方によって特性が変わりますので、是非読んでみて下さい。