JAS材とは

JASとは

JAS規格制度は、JAS規格を満たしていることを確認(格付といいます。)した製品に
JASマークを付けることができる制度です。

JASマークが付けられている製品は、一定の品質や特色をもっていますので、消費者が買い物で商品を選んだり、
事業者間で取引する際に、JASマークが付いていることを目印にすれば便利です。


品位、成分、性能等の品質についてのJAS規格(一般JAS規格)を満たす食品や林産物などに付されます。

製品にJASマークを付けることができる事業者は、登録認証機関(農林水産大臣の登録を受けた機関です。)から、
製造施設、品質管理、製品検査、生産行程管理などの体制が十分であると認定された事業者(認証事業者)です。

登録認証機関の登録に当たっては、所在地(国内・国外)、法人形態(株式会社、NPO法人、公益法人、地方公共団体等)等にかかわらず、
JAS法第16条第1項に規定する登録基準を満たせば、農林水産大臣は登録を行うこととなります。

認証事業者は、製造施設の維持管理や品質管理、生産行程管理の実施状況などが引き続き十分であるかについて、
登録認証機関の定期的な監査を受けながら、JAS規格を満たしていることを確認し、製品にJASマークを付けます。
※http://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/ 農林水産省のHPから引用

要するに、日本農林規格に適合したものだけがJASのマークを付けて販売が出来るという事です。
そして、この規格に適合しているという事は、強度などが保証されている=「安心」「安全」が手に入るという
事ですね。

JAS材とは

以上の日本農林規格に適合した木材製品のことをJAS材といいます。
木材では下地用製材、構造用製材と仕上げ材の3種類があります。

材木のほとんどをJAS規格にすることで家を建てたり、
材木を使ってくれる人に安定した品質の材木を提案、提供することができます。

この材をつかえば安心ってやつですね

そんなJAS材の樹種と流通寸法を知ってみましょう。

JAS材の規格寸法

JAS材の規格寸法は、昔から日本に存在する尺貫法を基に作られました。

尺貫法とは、
約3㎜を1分 (ぶ)
約30㎜を1寸 (すん)
約300㎜(303㎜)を1尺(しゃく) としたものです。
なぜ、1尺に(303㎜)と標識してあるのかですが、これは1分が3.03㎜を表すからです。

「分」の10倍が「寸」、「寸」の十倍が「尺」となります。
マニアックな寸法で、6尺=1間(けん)というのもあります。

日本では、メートル法ではなく、この尺貫法で家が建てられてきました。
今ではメートル表記が馴染みやすいですが、建築を取り巻く業界では今でも使われています。

以下はJAS下地材の標準寸法図です。

同じく、構造用製材の標準寸法図です。

なお、仕上げ材の場合は規格寸法となります。
仕上げ材とは燥後、修正挽き又は材面調整を行い、寸法仕上げをした製材をいいます。

 

ですが、今流通している材木は、その多くがこのJAS規格に通った物ではありません。
一体なぜなのでしょうか?

JAS材でない物「無等級材」

今、流通している多くの木材は「無等級材」と呼ばれる木材です。

無等級と聞くと、強度が劣るのでは??と思うかもしれませんが、そうではありません。
木材の強度的には、プロから見ればまったく問題ありません。

では、なぜ「JAS材」の流通が少ないのかですが
そもそも、「JAS材」として世の中に流通するには、
JASの規格に沿うような基準を満たす申請が必要になります。

JAS材の認定を取るには、JAS認定工場で製材された製品でなければならないのです。
JAS認定工場自体が少ない事も、JAS材が流通していかない理由の一つです。

なぜ、製材所がJAS認定を取らないのか??
それは製材所にとってJASの規格を取るメリットが少ないからでしょう。
それは下の項目に理由を書きました。

無等級でも寸法は同じなため、製品自体はJASの規格に通っていても
JASの規格にするのに諸経費、人件費 その他もろもろかかってしまう

そして最終消費者の材木に直接触れる人に対してJAS製品認知度がない為、それをウリにする事の旨みが少ない。

さらに、JAS認定材を流通させるには、JASマークの使用の他、様々な要因が絡み
最終的に材料の値段が上がってしまいます。

JASマークがついた材料と、付いていない材料。まったく同じ材料でも値段が違ってくるのです。

JAS材に関する考察

JASマークがついていれば高くても安心を買える。
それはそうだと思います。一般の人が見ても等級が分かりやすいのは使いやすさにもつながります。

ですが、JASが付いていない材料でないとダメという訳ではありません。
通常に流通している木材のほとんどがJASではない材料、いわゆる無等級材です。
プロの材木屋さんであれば、JAS材と同等の物をJAS材より安価に調達できます。

JAS材は、確かに一般の人にもわかりやすいです。
ですが、それだけで単価がグっと上がってしまうのはいかがなものかと考えてしまいます。

東京中央木材市場さんと東京木材市場では一年ごとに交互に取り扱い製材所のJAS材の審査が行われます。

毎年8月に審査が行われる予定ですが、新JAS認定を取得している製材所さんが少ない為、
審査が出来ない可能性もでてきています。 なんでも1市場で最低5社は必要だとか。

新JAS
製材所的にとってはあまり利点が無いみたいです。

とある製材所さんのお話しによると

「なんやらかんやらで年間100万円以上の費用がかかる割に公共事業にしか使ってもらえない」

「それでいて、自分の所に仕事が来るとは限らない」

だからJASをやめた! という事でした。
確かに、あまり会社にとって意味の無い物だと感じているのであれば、

「純利益100万円以上稼ぐのより、100万円以上の経費を削った方が効率がいい」です。

私でもそうすると思います。
100万円余計に利益とるって、すごく大変ですしね。

会社の方針としては正解だと思います。

JAS材の強みは「公共事業に使ってもらえる」事ですが、
裏を返せば・・・
製材所側からみれば高いお金を払って「公共事業にしか使ってもらえない」という弱みなんですよね。

材木に誰が見ても解る基準を設ける事はとてもいいことだと思いますし、
JAS認証に経費がかかるのはわかりますけれど・・・・・

内部の仕組み変えるとかで
もうちょっとなんとかできないものなのかと思ってしまいます。

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